仕事優先?子育て優先?女医の究極の選択はどっち?

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女性医師の離職率

離職率はどのくらい?

2014年の日本医師会の報告によると、女性医師の活動率は、医大卒業後すぐに減少し、35歳では76%まで落ちて、その後徐々に上昇しています。この調査によると、女性医師が職を離れる理由の大半は出産と子育てであることがわかっています。この時期にある女性は、たとえ一般職であっても、今までどおりの働き方を続けるのが難しく離職率が増えるもの。まして、激務である医師ともなれば、その職業活動をやめざるを得ない、というのが残念ながら現実です。また、医師自体をやめてはいないものの、常勤医をやめたことがある、としている女性医師は7割を超えると言われていて、女性医師にとって医療現場の第一線がいかに過酷であるかがわかります。産前・産後休業や育児休業は法律で定められてはいるものの、医療現場では規定どおりに休むことがままならず、退職を余儀なくされる女性医師はいまだに数多く存在しています。子どもを産み育てるという女性としての生き方が、医師であるという生き方を大きく左右しているのです。

病院を辞めるのは、結婚する時?

女性医師の離職時の年齢を見ると、25~29歳で44%、30~34歳で42%となっています。医師になってから10年以内に、86%もの女性医師が離職して、医療の第一線から退いてしまうのです。このような女性医師の離職の理由になっているのが、妊娠・出産・子育てです。女性医師全体の7割以上は結婚して子供を持っていると言われていて、妊娠・出産が離職の契機としている医師は55%、育児を理由に離職する医師は37%となっています。結婚と同時に医療現場の第一線を退くというよりは、出産と子育てが、女性医師が離職を決断するきっかけになっていることがわかります。子育て期の女性医師の就業支援策として、院内保育所の整備が叫ばれていますが、そのなど設置率は約5割と不十分である上に、非常勤医師の利用制限 があるなど、まだまだ 課題は多いようです。

子育てとの両立

出産・育児による女性医師の離職することによって、医療現場は多くの即戦力を失い、結果として慢性的な医師不足になることから医師の労働環境の悪循環につながるという、負のスパイラルが生まれてしまっています。しかし 近年では、女性医師の離職を防ぎ、復職支援の動きも高まりつつあります。病院によっては、24時間利用できる保育所の併設や、女性医師バンクを立ち上げて、女性医師が働きやすい勤務形態による就労や、当直やオンコールの夜勤負担の軽減など、女性医師が働き続けることができる職場作りに取り組むところが増えてきています。しかし、まだ現場の女性医師たちのニーズを満たすには不十分な状況で、産休中の代替の医師や託児施設の充実など、解決すべき問題は数多く残されています。一方、男女の就労が普及した現代では、夫婦共同で子育てをするという気運が高まっていて、女性医師を支える配偶者の存在も、両立に欠かせない要素となっているようです。

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